この記事ではそもそもCPUとは何なのか?についてのほか、CPUの選び方のポイントなど以下の内容を解説していますのでぜひ参考にしてください。
CPUとは何か?

CPU(Central Processing Unit)とはパソコンの「頭脳」にあたる部分となります。
パソコンにおける制御、演算を行う、パソコンの動作の大部分を担うもっとも重要なパーツであるといえます。
パソコンの性能大半がCPUによって決まっているほど重要なパーツとなっており、CPUがパソコンの値段、性能に大きく関わっています。
CPUの種類

パソコンのCPUは主に「Intel(インテル)」と「AMD(エーエムディー)」の2社より販売されています。
この項目では、メインとなるIntelの「Core i」シリーズ、AMDの「Ryzen」の2製品について説明します。
Intel Core iシリーズ
Intelとはアメリカの半導体メーカーであり、長年CPU市場のトップシェアを有するメーカーとなっております。
「AMD Ryzenシリーズ」と比べた時の大きな特徴として、シングルコアの性能が高く、「AMD Ryzenシリーズ」よりゲームやソフトウェアの使用に適しています。
いくつかの種類に分けてCPUを販売しており、性能、値段の高い順に下記のとおりとなります。
Core i9
Core i7
Core i5
Core i3
Pentium
Celeron
それぞれの詳しい説明、選び方については後程説明させていただきます。
AMD Ryzenシリーズ
AMDとはアメリカの半導体メーカーであり、長年CPU市場のシェアはIntelから大きく差をつけられていたメーカーであったが、2017年に発売された「Ryzen」シリーズより、Intelの「Core i」シリーズと同等の性能で、低価格を実現し、急速にシェアを拡大しているメーカーとなります。
「Intel Core iシリーズ」と比べた時の大きな特徴として、マルチタスク機能に優れており、「Intel Core iシリーズ」よりクリエイティブ(動画編集、3Dモデリング、イラスト作成、音楽制作)面の使用に適しています。
AMDもいくつかの種類に分けてCPUを販売しており、性能、値段の高い順に下記のとおりとなります。
Ryzen 3
Ryzen 5
Ryzen 7
Ryzen 9
それぞれの詳しい説明、選び方については後程説明させていただきます。
CPUの選び方
ブランドで選ぶ
現在主流のブランドは「Intel」と「AMD」と2社となっているため、それぞれのブランドのCPUの特徴と用途について説明します。
IntelのCPU
CPU名 | 特徴・用途 |
---|---|
Core i9 | 最上位モデル、高価格 4K動画の編集、高画質でのゲーム配信 |
Core i7 | 上位モデル e-スポーツ向け高画質3Dゲーム、一般的な動画編集 |
Core i5 | スタンダードモデル 一般的な3Dゲーム、軽めの動画編集 |
Core i3 | 下位モデル、コストパフォーマンス重視 動画視聴やビデオ通話、インターネット |
Pentium | 低価格帯のモデル、主に低価格ノートPC ネットの閲覧、簡単な文書の修正、メール |
Celeron | エントリーモデル、低価格 ネットの閲覧、簡単な資料作成、メール |
「Core i9」は最上位モデルであり、その分値段も高いCPUです。
多くのゲームや作業は「Core i7」で十分ですが、4K動画編集や高画質の生放送等、最高技術を使用することができます。
「Core i7」は上位モデルとなっており、e-スポーツ向けのゲームを高画質、高速処理で行うことができます。
一般的にハイスペックと呼ばれるCPUであり、動画編集やゲーム配信等も行えます。
「Core i5」はスタンダードモデルとなっており、一般的な3Dゲームや動画、写真の編集を行えます。
「Core i3」はコストパフォーマンス重視の下位モデルとなっており、安価な値段で写真の編集やビデオ通話、資料の編集を行うことができます。
「Pentium、Celeron」はエントリーモデルとなっており、インターネットや簡単な文書の修正、メール等に使用できます。
動画配信やゲーム等を行いたい場合は、より上位のモデルのCPUを使用しましょう。
AMDのCPU
CPU名 | 特徴・用途 |
---|---|
Ryzen Thredripper | ハイエンドモデル、高価格 プロの映像クリエイター、映画作成 |
Ryzen 9 | 最上位モデル 4K動画の編集、高画質でのゲーム配信 |
Ryzen 7 | 上位モデル、省電力、ノートPCでも利用できる e-スポーツ向け高画質3Dゲーム、一般的な動画編集 |
Ryzen 5 | スタンダード、コストパフォーマンスの高いモデル 高画質3Dゲーム、一般的な動画編集 |
Ryzen 3 | 下位モデル、コストパフォーマンス重視のモデル 一般的な3Dゲーム、一般的な動画編集 |
Athlon | エントリーモデル 動画視聴、簡単な資料作成、メール |
「Ryzen Thredripper」はハイエンドモデルであり、一般的な利用よりは企業向け、クリエイター向けのハイエンドPC用となっており、その分、高価なCPUです。
映画作成やプロの映像クリエイターによる非常に高画質、難解や動画作成等に使用されています。
一般的な利用者がこちらのCPUを使用することはほとんどありません。
「Ryzen 9」は最上位モデルであり、その分値段も高いCPUです。
「Core i9」と同じく、4K動画編集や高画質の生放送等、最高技術を使用することができます。
「Ryzen 7」は上位モデルとなっており、e-スポーツ向けのゲームを高画質、高速処理で行うことができます。
高性能と省電力の両立を図っており、ゲーミングノートPCにも使用される高スペックのCPUです。
「Ryzen 5」はスタンダードモデルとなっており、一般的な3Dゲームや動画、写真の編集を行えます。
「Ryzen 3」はコストパフォーマンス重視の下位モデルとなっているものの、一般的やゲームや動画の編集を行うことができます。
「Athlon」はエントリーモデルとなっており、インターネットや簡単な文書の修正、メール等に使用できます。
動画配信やゲーム等を行いたい場合は、より上位のモデルのCPUを使用しましょう。
用途で選ぶ
主な使用目的に応じてCPUを選ぶ。
事務処理などビジネスユース | Core i3~i5、Ryzen 3~5 |
3Dゲームをプレイ | Core i5~i7、Ryzen 5~7 |
動画・画像編集などクリエイティブワーク | Core i5~i9、Ryzen 5~9 |
ゲームや動画編集ソフト等を使用する場合、推奨環境を満たしているかどうかの確認が必要です。
最低環境であれば、動作自体は行えますが、ソフトの動作中にエラーが発生するや、通話を併用しての作業が行えない等、問題が発生する恐れがあります。
もし利用を検討しているソフトがあれば、推奨環境を満たしているCPUを選びましょう。
価格で選ぶ
CPUは非常に重要なパーツとなるため、ただ性能だけで選ぶと値段が非常に高くなってしまいます。
予算、用途を決めて、必要な性能であるかを視点に選ぶことが重要です。
基本的には世代が若いほど、そしてCore iやRyzenの数値が大きいほど性能がよく、値段が高くなります。
ただし、CPUによっては性能を追い求めたもの、低電力で動作するもの、コストパフォーマンスを重視したものといくつかの特徴があります。
大前提として、同じような性能のCPUであれば、AMDのほうが価格が低い傾向にあります。
ただし、前述したとおり、ゲーミング向けの性能であれば、Core iシリーズのほうが性能が高く、価格の面に関しても、安価で購入することができます。
CPUについてよくある質問
- IntelとAMDどちらがいいですか?
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一概にどちらが一方的に優れていると断言はできません。
同じくらいの性能ならIntel Core iシリーズよりAMD Ryzenシリーズの方が安いことが多いです。
用途としては、Intel Core iシリーズはゲーム用途に向いており、AMD Ryzenは動画のエンコードなどマルチスレッドが得意な処理が向いています。
- Core i〇~やRyzen 〇~のあと続く数値はなんでしょうか?
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世代と型番になります。
CPUはそれぞれ新しいものが都度発売され、発売されるごとに世代が上がり、性能がどんどん高くなっています。
例:Core i5-12400の場合、Core i5がグレード、12が世代、400が型番となります。
- コア数やスレッド数とはなんでしょうか?
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「コア」とはCPU内で演算を行う部分となっており、「コア」が複数あると、同時に複数の処理をまとめて実行することができます。
「コア」数が多いほど、複数の処理を手分けして素早く実行することができるため、高画質動画の編集やプログラムの作成時にアプリケーションの実行速度が向上します。
「スレッド」とは、仮想コアのことであり、実際のコア数よりも多くのコアがあるとパソコンに認識させ、効率的に処理を行うようにしている技術となります。
しかし、実際にコア数が増えているわけではないため、状況によって処理の向上ができない場合もあります。
- CPUの性能を見る際に、グレード以外に確認する項目を教えてください。
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先ほど説明させていただいた、「世代」をみることで、最新モデルかどうかを判断することができます。
また、細かい数値から性能を比較したい場合、先ほど説明させていただいた「コア」、「スレッド」の他に、「キャッシュ」、「クロック」を見ることで、比較することができます。
「キャッシュ」とは、CPU内の記憶領域のことであり、大きいほどメインメモリーへの接続を減らせるため、処理の高速化が行えます。
「クロック」は1秒間に行える処理数となっており、大きいほど処理が高速となります。
しかし、実際には「コア」数や「スレッド」数によっても左右されるため、同じ「コア」、「スレッド」数であれば、「クロック」の数値が大きいほど、処理が早くなります。
- 自作でPCを作ろうと思っており、CPU選びの際に性能以外の面で重要なことを教えてください。
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自作を行う場合、CPUはマザーボードに取り付ける必要があります。
マザーボードに取り付けるための「ソケット」はマザーボード毎に異なるため、対応するソケットのCPUを選ぶようにお気を付けください。
- 世代とモデルはどちらを優先するべきでしょうか?
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一般的には「旧世代のCore i7」と「新世代のCore i5」では「旧世代のCore i7」が性能で勝ります。
ただし、世代の変更で新技術が導入された場合、大きく性能が向上し、「新世代のCore i5」が「旧世代のCore i7」を上回ることがあるため、各CPU毎の性能比較や、ベンチマーク結果を参考に選ぶ必要があります。